オンライン診療の活用で、
持続可能な医療体制を。
神島診療所 所長 小泉 圭吾さん
プロフィール
2003年自治医科大学医学部卒業。
2009年から神島診療所に2年間勤務したのち、
国内外でへき地医療について学びを深め、
2015年から再び神島診療所へ。
一人ひとりの人生と、
まち全体の医療に携わる誇り。
自治医科大学を卒業後、私は南伊勢町の町立南伊勢病院で働き、2年間ほど神島診療所に赴任していました。
当初はへき地医療に興味がなく、感染症科専門医として都市部の病院で働きたいと考えていましたが、へき地での経験を通じて、患者の人生全体に関わることや地域の医療体制を考える仕事にやりがいを感じるようになりました。
神島での診察は、内科以外にも皮膚科や整形外科、眼科に耳鼻科、小児科まで様々な診療を担当する必要があり、初めの頃は自身のスキル不足に愕然とする日々でしたが、やはり一人では何もかもこなすには限界があります。
そのため、今では患者様にとってのベストは何かを考え、自分だけ先走りすぎないように診察するよう心がけています。
診療所運営の効率化に挑み、
デジタル技術で地域医療を守る。
オンライン診療については、離島の人口減少や高齢化に伴い患者数も減少する中、従来の医療体制を見直す必要性を感じたことがきっかけで、令和2年11月から導入しました。コロナ禍でオンライン診療の規制が緩和されたタイミングも重なり、国土交通省のスマートアイランド推進実証調査に応募して、いち早く実現できました。医師が離れた場所から診察できるようになり、広いエリアをカバーし、効率的な運営ができるようになりました。
令和5年からは本土側の鏡浦地区で車両にオンライン診療機器を積んで地域に出向く「医療MaaS」も始めました。現在のオンライン診療は「DtoP with N(Doctor to
Patient with
Nurse)」という形式で患者の横に看護師が付き添う体制を基本として実施しています。
高齢者のデジタル機器への不安をやわらげ、看護師が患者の状態を適切に伝えるようにしています。
対面とオンラインをミックスし、
持続可能な医療を支えていく。
今後、まちの人口減少は否めません。市立診療所でも患者数に見合った効率的な運営が求められています。ただ患者さんが診療を受けられる機会は、減らさないことが重要だと考えています。そこでデジタル技術を活用した新しい形に挑戦しています。
課題としては、特に高齢者の方々はオンライン診療にまだまだ馴染みがないと思いますので、
そのメリットを伝えながら徐々に理解を得ていく必要があると考えます。
持続可能な医療体制の構築を目指して、対面診療とオンライン診療のベストミックスを図りながらへき地医療を支えていきたいですね。
